クィアのカナダ旅行記
日本の同性カップルが「難民認定」されたカナダで手にしたたくさんの問い、そして言葉。二度の滞在をもとに綴る著者初のエッセイ集。
- 定価
- 1,760円(本体 1,600円)
- 刊行
- 2025/05/22
- ISBN
- 9784760156313
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 216
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション

内容・目次
内容
日本の同性カップルが「難民認定」された国で、
わたしが手にしたたくさんの問い、そして言葉。
日本と違って20年前から同性婚ができて、「LGBTQ先進国」と言われるカナダ。先住民や有色人種への差別が残り、パレスチナ解放をめぐって揺れ動いてもいるカナダ。二度の滞在をもとに、そしてバックラッシュが強まる日本の政治的状況を踏まえながら、その今を記録した著者初のエッセイ集。
“わたしたちはここにいる、わたしたちはクィアだ――でも、どうしたら伝わるだろう? 目の前に存在しているにもかかわらずしばしば「見えない」存在にされてしまう/「見えない」存在であることを強いられてしまう時、確かに「ここにいる」と、どうしたら伝わるのだろう。わずかな時間ではあるもののカナダに滞在している間、そして日本に帰ってきてからずっと、わたしは「見える/見えない」存在について考えているような気がする。”(本文より)
この旅行記は、ひとりのクィアの経験を綴ったにすぎない。それでも、そのひとりの経験になんとか「言葉」を与え、分かち合うことを通じて、見えてくるものがあるはずだ。
※英語のタイトル表記はA Queer’s Canadian Travel Journalである。
【著者略歴】
水上文〈みずかみ・あや〉
1992年生まれ、文筆家。主な関心の対象は近現代文学とクィア・フェミニズム批評。企画・編著に『われらはすでに共にある――反トランス差別ブックレット』(現代書館)。
目次
プロローグ
第1部 トロント・プライド
1 正義を今、求めてる――2023年のトランス・マーチ
2 自分の権利のためにマーチする必要があるか?――2023年のダイク・マーチ
第2部 カナダ再訪
1 再びカナダについて
2 トロント・スケッチ
3 ウィニペグ旅行⑴――赤いドレスとブリュワリー
4 ウィニペグ旅行⑵――人権ミュージアム
5 クィアのカップルセラピー
6 クィアのホームパーティー
7 クィアと空間の政治⑴――パレスチナ連帯キャンプ
8 クィアと空間の政治⑵――「ラファに手を出すな」集会
9 ここにも、そこにも、どこにでも
エピローグ