みえないもの
娘たちとの青森生活、故郷ルーマニアの記憶、フィールドで出会った女たちの魂──。『優しい地獄』の著者が新たな地平を切り開く渾身のエッセイ。斎藤真理子(翻訳家)推薦。
- 定価
- 1,980円(本体 1,800円)
- 刊行
- 2025/04/10
- ISBN
- 9784760156306
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 240
- ジャンル
- 文学・エッセイ・ノンフィクション

内容・目次
内容
「最初に『何かすごい』と思い、それがずーーーーーっと止まらず、一冊全部がそうだった。」
――斎藤真理子(翻訳家)
デビュー作『優しい地獄』で読書界に衝撃を与えた、ルーマニア出身の文化人類学者イリナ・グリゴレ、最新作。
娘たちと過ごす青森の日々。ふとよみがえる故郷ルーマニアの記憶。そして、語られてこなかった女たちの物語――。
「彼女の人生をスクリーンのようなものでイメージとして見せられたら、彼女の語らなかったことが見えて、あの夜ニュースを見た人たちも彼女を理解できたかもしれない」(本書より)
虚実を超えて、新たな地平を切り開く渾身のエッセイ。
今までに書かれたどんな日本語よりも、鮮烈なことばをあなたに。
【著者略歴】
イリナ・グリゴレ〈Irina Grigore〉
文化人類学者。1984年ルーマニア生まれ。2006年に日本に留学し、一時帰国後、2009年に国費留学生として来日。弘前大学大学院修士課程修了後、2013年に東京大学大学院博士課程入学。青森県内を主なフィールドに、獅子舞や女性の信仰を研究する。2023年にはバヌアツで女性を対象としたフィールドワークを始めている。キーワードはイメージ、自然観、死生観、有用植物、霊魂。著書に『優しい地獄』(亜紀書房、2022年)。
目次
■コロナくんと星の埃
■鬼は来ない日も来る
■蛍が光る場所
■逃げたパン
■天王星でルビーの雨が降っている
■団地ラボラトリー
■ダンゴムシに似ている
■ナメクジの世界
■野良犬
■ドリームタイム
■綿飴、いちご飴とお化け屋敷
■きのこ雲
■狼が死んでいた
■死んでも生きる
■葡萄の味
■結婚式と葬式の間
■ゴダールが死んだ年に
■みえないもの
■何も意味しないとき、静かに朝を待つ
■何も意味しないとき、燃えている森の中を裸足で歩いて、静かに朝を待つ
■卵を食べる女
■蜘蛛を頭に乗せる日
■初恋と結婚した女
■Ghosted
■果実の身代わり
■あとがき