災害とトイレ 緊急事態に備えた対応
災害大国に暮らすうえで知っておきたい緊急時のトイレ問題――第一線でのリアルな経験から得られた生きた教訓を紹介!
- 定価
 - 3,300円(本体 3,000円)
 - 刊行
 - 2022/06/23
 - ISBN
 - 9784760154661
 - 判型
 - 四六判
 - ページ数
 - 248
 - ジャンル
 - 自然科学・建築
 - シリーズ
 - 進化するトイレ(全3巻)
 

内容・目次
内容
毎年のように日本列島を襲う地震、台風、豪雨――案外見落とされがちだが、災害時のトイレ問題は重大な健康リスクにつながる危険をはらんでいる。断水時や停電時はもちろんのこと、上下水道のいずれかが破損しただけでも水洗トイレは流せない。避難所のトイレは不衛生だから使いたくない。仮設トイレは段差があって車いすや高齢者には使いにくい。そもそも仮設トイレ自体が足りないし、なかなか汲み取りにも来てくれない。だから飲食をなるべく控えるようになり、エコノミー症候群が多発する。
本書は、トイレが使えないときの応急処置、災害ボランティアのトイレ問題、家庭や地域の備蓄の必要量、マンション住民が知っておくべきこと、行政による支援の内容など、いざという時に役立つ知識をわかりやすく紹介する。家庭や地域の自治会・管理組合、学校、自治体などに必備の一冊!
【目次】
はじめに
第1章 災害がおきるとトイレはどうなるのか
 1 阪神・淡路大震災で顕在化したトイレ問題
 2 東日本大震災・熊本地震の経験
 3 ダイバーシティと災害トイレ――ジェンダー・多様性の視点に立ったトイレ計画
 4 障害当事者の立場からみた災害時の困難
第2章 国や自治体の災害トイレ対策
 1 国の防災政策ではトイレはどうなっているか
 2 自治体の災害トイレ対策の現状
 3 みんなの災害トイレ計画
 
第3章 「仮設トイレ」のことを知る
 1 仮設トイレは平常時でも活躍している
 2 仮設トイレは災害時の最重要インフラである
 3 仮設トイレのし尿処理について
第4章 災害トイレの自助と共助
 1 家庭での防災対策とトイレ
 2 災害が起きたらどう対応すべきか
 3 マンションのトイレ防災
おわりに
【編者紹介】 
日本トイレ協会
1985年にトイレ問題に関心を持つ官民の有志により発足。2016年に一般社団法人。①トイレ文化の創出、②快適なトイレ環境の創造、③トイレに関する社会的な課題の改善、に大きく寄与してきた。会員相互に研鑽を積み重ね、関係各方面の協力を得ながら、主に全国トイレシンポジウムや各種講演会を通じて、最も進んだトイレ文化の華を日本に咲かせるとともに、世界への情報発信に努めている。
執筆者一覧(50音順)
浅野幸子(減災と男女共同参画研修推進センター共同代表/早稲田大学地域社会と危機管理研究所招聘研究員)
足立寛一(㈱エクセルシア代表取締役/日本トイレ協会災害・仮設トイレ研究会副代表幹事)
木村 洋(㈱長谷工コーポレーション技術研究所建築環境研究室専門役)
熊本好美(日野興業㈱営業企画部営業企画課/日本トイレ協会災害・仮設トイレ研究会)
佐々木貞子(DPI女性障害者ネットワーク副代表)
谷本 亘(日野興業㈱営業企画部部長/日本トイレ協会災害・仮設トイレ研究会副代表幹事)
寅 太郎(元㈱レンタルのニッケン取締役常務執行役員/日本トイレ協会災害・仮設トイレ研究会)
新妻普宣(㈱総合サービス代表取締役社長/日本トイレ協会災害・仮設トイレ研究会)
三橋源一(共衛代表)
山本耕平(㈱ダイナックス都市環境研究所代表取締役会長/日本トイレ協会災害・仮設トイレ研究会代表幹事)
目次
はじめに
第1章 災害がおきるとトイレはどうなるのか
 1 阪神・淡路大震災で顕在化したトイレ問題
  (1)阪神・淡路大震災では何が起きたか
  (2)現場の対応と避難所トイレの実態
  (3)阪神・淡路大震災の教訓
  【コラム】災害ボランティアのトイレ問題
  【コラム】パトカーの先導で仮設トイレを運んだ阪神・淡路大震災
 2 東日本大震災・熊本地震の経験
  (1)東日本大震災のトイレ事情
  【コラム】マンホールが飛び出した!液状化と下水道の被害
  (2)熊本地震のトイレ事情
  (3)豪雨災害のトイレ事情
  (4)各災害からの教訓と課題
 3 ダイバーシティと災害トイレ――ジェンダー・多様性の視点に立ったトイレ計画
  (1)災害時もトイレ利用者の多様性に配慮すべき
  (2)性別による困難の違いと配慮
  (3)障害の多様性から考える対策の質
  (4)計画・設計段階から多様な参加と地域社会全体の関与を
 4 障害当事者の立場からみた災害時の困難
  (1)平時でも困難のある障害者のトイレ事情
  (2)被災障害者の体験から思う
  (3)インクルーシブな地域防災を目指して
  【コラム】スフィア基準とは?
第2章 国や自治体の災害トイレ対策
 1 国の防災政策ではトイレはどうなっているか
  (1)国の災害被害想定ではトイレはどうなっているか
  (2)防災基本計画と国のトイレ対策~事前の備え~
  (3)災害が起こった時のトイレ対策
  (4)今後の課題
  【コラム】自衛隊のトイレ、消防のトイレ、警察のトイレ
 2 自治体の災害トイレ対策の現状
  (1)災害トイレ計画の策定状況
  (2)避難所のトイレ対策
  【コラム】清掃のプロが教える避難所トイレの清掃、維持管理のポイント
  【コラム】国土交通省の災害用トイレ車
 3 みんなの災害トイレ計画
  (1)災害トイレ計画の意義
  (2)災害トイレの自助・共助
  (3)行政計画に必要なこと
  【コラム】ビルメンテナンス業界と自治体の協働
第3章 「仮設トイレ」のことを知る
 1 仮設トイレは平常時でも活躍している
  (1)仮設トイレとはどんなトイレ?
  (2)仮設トイレの快適性の向上
 2 仮設トイレは災害時の最重要インフラである
  (1)災害時の仮設トイレの手配、運用はどうなっているのか
  (2)災害時に仮設トイレがすぐに届かない理由
  (3)仮設トイレを快適に保つために
 3 仮設トイレのし尿処理について
第4章 災害トイレの自助と共助
 1 家庭での防災対策とトイレ
  (1)家庭の防災対策とトイレの自助
  (2)地域や自治会で取り組むトイレの共助
  【コラム】「ライフスポット」としての雨水貯留のススメ
 2 災害が起きたらどう対応すべきか
  (1)水洗トイレが使えなくなったときの対処の仕方
  (2)簡易トイレ、携帯トイレの使い方
  (3)携帯・簡易トイレの処理後便袋の処理
 3 マンションのトイレ防災
  (1)災害時にマンションのトイレで起こること
  (2)マンションでの必要な対策
  (3)在宅避難のためのトイレ使用マニュアル
おわりに