進化する人体 虫垂、体毛、親知らずはなぜあるのか
- 定価
- 2,420円(本体 2,200円)
- 刊行
- 2019/02/22
- ISBN
- 9784760150922
- 判型
- 四六判
- ページ数
- 272
- ジャンル
- 自然科学・建築

内容・目次
内容
本書は、チャールズ・ダーウィンが「痕跡的」と呼んだ、人間に存在はするものの、退化しているとも見なされてしまう部分を取り上げている。それは虫垂、体毛、尾骨、耳介筋、第三の瞼、親知らずだ。虫垂(盲腸)はいまでも手術で取り除かれやすく、なぜか不要だと思われている。どうしてそう思われるのか。歴史的に古代エジプトまでさかのぼり、ミイラの盲腸の話から、ルネサンス時代の解剖学の発展を踏まえつつ、この当時は猿で解剖を行っており、残念ながら猿には盲腸がないため、盲腸の認知は低かったことや、ようやく最近になって免疫に関係して重要度が高まった話などが展開される。
ダーウィンの時代には臓器の役割はいまほどわかっていなかった。それゆえ人間は進化しているのか、それとも神が作った人間に不完全なものなどないはずだったのか、議論はいろいろな方向に進んだ。臓器の役割が明らかになるにつれ、つまり時代とともにダーウィンの理論も進化していることになる。
ちなみに体毛は体臭を保持するのに役立ち、白血球型に基づく匂いの違う異性を求める行動に役立っているなど、種の保存と多様性に関連する興味深い話題も出てくる。
最後の追記にはダーウィンの息子ジョージによる服飾の進化への考察も掲載。
目次
目次
第1章 みいつけた――虫垂
第2章 羽毛と毛皮――体毛
第3章 尾の骨のお話――尾骨
第4章 耳の輪――耳介筋
第5章 ぱちり――第三の瞼
第6章 白い歯――親知らず
第7章 なくてもよいもの
第8章 未来の人間
第9章 追記