柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

近刊

日本で一番美しい県は岩手県である

岩手在住・開高健賞受賞のルポライターが、独自の文化や信仰、暮らしといった「普段着の岩手」を切り取る日本再発見ルポエッセイ。

定価
1,980円(本体 1,800円)
刊行
2025/12/16
ISBN
9784760156641
判型
四六判
ページ数
208

内容・目次

内容

「この雪はどこをえらばうにもあんまりどこもまつしろなのだ」――宮沢賢治「永訣の朝」


ニューヨーク・タイムズが「行くべき52カ所」に選んだ盛岡、
神と人がともに生きる風土、
震災を経て歩み続ける人びと――
今最も注目されるルポライターが、賢治が桃源郷「イーハトーブ」と呼んだ100年後の岩手を旅する。


「賢治はこの地を「イーハトーブ(ドリームランド)」と呼んだ。啄木は岩手山を見て「言ふことなし」と綴った。この本を読み終えたとき、あなたもきっとこう口にするはずだ。日本で一番美しい都道府県は、そう、岩手県である、と」――本書「はじめに」より


【目次】
はじめに


第一章 神が棲む山々
お化け屋敷 ◉渓谷の歌姫鬼死骸村 ◉不条理の牙 ◉鬼が舞う ◉ナマハゲ ◉断崖絶壁の寺 ◉ネコ神様 ◉震災とオシラサマ ◉消えゆく蚕文化 ◉ほか


第二章 雪国の暮らし
樹齢900年の姥杉日高火防祭 ◉SL銀河 ◉飛龍山の湯 ◉金色堂900年 ◉倉沢人形歌舞伎 ◉鹿踊部の危機 ◉大谷グローブ ◉平笠裸参り ◉最後の蘇民祭 ◉ほか


第三章 クルミの味
わらび餅の春 ◉クルミの味 ◉味噌玉 ◉さくら色のいなりずし ◉10段巻きのソフトクリーム ◉種市のウニ ◉幻の羊羹 ◉亀の子煎餅 ◉寄せ豆腐 ◉甲子柿 ◉ほか


第四章 盛岡の城下町
湧き水の街 ◉ホームスパン ◉チャグチャグ馬コの夏 ◉さんさ踊り ◉闘牛 ◉宮古うみねこ丸 ◉浄法寺の漆 ◉海の中の県境 ◉遠野物語の子孫 ◉ゆっくり苫屋 ◉ほか


第五章 宮沢賢治の子どもたち
バラ名人 ◉農民管弦楽団 ◉タクシー運転手 ◉モンゴル人の羊飼い ◉憧れの日本 ◉片腕の記憶 ◉102歳の歌人 ◉ピエロ校長 ◉「あの日」と同じではない ◉ほか


おわりに


【本書の特長】
・稀代のルポライターを魅了した北方文化や風物を、岩手在住者ならではの視点で深堀り。
・カラー写真(前半)&見開き完結のショートエピソードで、サクサク読めます! 
・装丁は岩手県・盛岡市出身の名久井直子さん。美しい装丁・造本にも注目してください。


【サンプルページ】



【著者プロフィール】
三浦英之(みうら・ひでゆき)
1974年、神奈川県生まれ。朝日新聞記者、ルポライター。2021年4月に岩手県一関支局、2022年4月から盛岡総局に勤務。『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で第13回開高健ノンフィクション賞、『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(布施祐仁氏との共著)で第18回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で第25回小学館ノンフィクション大賞、『南三陸日記』で第25回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、『帰れない村 福島県浪江町「DASH村」の10年』で2021 LINEジャーナリズム賞、『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』で第22回新潮ドキュメント賞と第10回山本美香記念国際ジャーナリスト賞、『涙にも国籍はあるのでしょうか 津波で亡くなった外国人をたどって』で第13回日隅一雄・情報流通促進賞特別賞を受賞。近著に『1945年 最後の秘密』。