柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

横溝正史エッセイコレクション3 真説 金田一耕助 金田一耕助のモノローグ

疎開生活から戦後の「本格探偵作家」としての再出発、〝横溝ブーム″下の旺盛な執筆活動に至るまで……。作家最晩年の人生回顧録!

定価
6,600円(本体 6,000円)
刊行
2022/05/24
ISBN
9784760154470
判型
四六判
ページ数

内容・目次

内容

社会現象ともなった「横溝ブーム」における衰えぬ執筆活動、自作や映画化作品への想いを綴った、和田誠のイラストも味わい深い『真説 金田一耕助』、岡山での疎開生活の日々と探偵小説の「鬼」としての再起を記録した『金田一耕助のモノローグ』、そして未完に終わった最晩年の回顧録「続・書かでもの記」(『横溝正史自伝的随筆集』より)などを収録。戦前の神戸の姿や戦時下・終戦直後の日本の社会状況、そしてブーム下の活況を呈する出版界の状況など、半世紀以上現役作家を貫き通した作家ならではの記録! また、巻末にはこれまで単行本に収められたことのなかったエッセイ2篇を初収録!


【著者紹介】
横溝正史(よこみぞ・せいし)
1902年生まれ、81年没。大正期より執筆活動を始め、雑誌「新青年」編集長として江戸川乱歩に名作『陰獣』を発表させるなど編集者としても活躍。戦後『本陣殺人事件』『蝶々殺人事件』を発表、前者で第1回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞、以後『八つ墓村』『犬神家の一族』など、金田一耕助を主人公とする傑作群で探偵小説界の第一人者としての地位を不動のものに。70年代の角川文庫によるリバイバルと金田一シリーズの映画化によって大ブームとなり、最晩年には傑作『悪霊島』を発表、生涯現役を貫いた。作品は以後も読み継がれ、新たな映像作品化も数多い。


【編者紹介】
日下三蔵(くさか・さんぞう)
SF・ミステリ評論家、アンソロジストとして精力的に活動。小松左京作品、連城三紀彦作品などのアンソロジーの他、『海野十三コレクション』(創元推理文庫)、今日泊亜蘭『最終戦争/空族館』(ちくま文庫)、『筒井康隆コレクション』(出版芸術社)、『皆川博子コレクション』(出版芸術社)『ミステリ珍本全集』(戎光祥出版)『横田順彌明治小説コレクション』『皆川博子長篇推理コレクション』(柏書房)など一連の「隠れた名作」の発掘で高い評価を得ている。


目次

真説 金田一耕助


金田一耕助恐縮す

人気とは不可解なもの

映画初出演の弁

映画になった金田一耕助

金田一耕助最後の事件 Ⅰ

金田一耕助最後の事件 Ⅱ

金田一耕助最後の事件 Ⅲ

「犬神家の一族」の思い出

金田一耕助、山を下る

最高と最低

タレント業失格

本名と筆名

小説と映画 Ⅰ

小説と映画 Ⅱ

勲章を貰う話

金田一耕助の収入

騒がしかりきこの一年

終戦後の初正月

私のベスト10

一人の金田一耕助の死

屁をかぞえる人びと

腰砕け

ディクソン・カー Ⅰ

ディクソン・カー Ⅱ

カゼをひくの弁

「本陣殺人事件」由来 Ⅰ

「本陣殺人事件」由来 Ⅱ

カーの死

バレンタイン・デーの恐怖

Whodunitの映画化

昭和52年4月2日

横溝正史シリーズ

人形佐七捕物帳 Ⅰ

人形佐七捕物帳  

「蝶々殺人事件」縁起 Ⅰ

「蝶々殺人事件」縁起 Ⅱ

三本指の男

蝶々失踪事件

ブームやつれ

「獄門島」懐古 Ⅰ

「獄門島」懐古 Ⅱ

「八つ墓村」考 Ⅰ

「八つ墓村」考 Ⅱ

「八つ墓村」考 Ⅲ

「陰獣」の試写を見る

病院坂の首縊りの家 

怪奇探偵作家

モウロクもまた愉し

Yの悲劇

悪魔が来りて笛を吹く

さらば金田一耕助


付・昭和51年8月22日~昭和52年8月20日の日記抄


あとがき


金田一耕助のモノローグ


疎開三年六ヵ月――楽しかりし桜の日々

田舎太平記――続楽しかりし桜の日々

農村交友録――続々楽しかりし桜の日々


解説 中島河太郎


横溝正史自伝的随筆集(抄) 


続・書かでもの記・1

続・書かでもの記・2

続・書かでもの記・3

続・書かでもの記・4

続・書かでもの記・5

続・書かでもの記・6

続・書かでもの記・7

続・書かでもの記・8

続・書かでもの記・9

続・書かでもの記・10

続・書かでもの記・11

続・書かでもの記・12


横溝正史自伝間奏曲 新保博久


ピンチ・ヒッター

日文矢文

乱歩は永遠にして不滅である 

続・乱歩は永遠にして不滅である


解説 正史もまた永遠にして不滅である 新保博久


付録 未収録エッセイ


サムとクラドック

デュマと影武者

ストレス解消、毎日6-8千歩

たばこと私


編者解説 日下三蔵