ユリシーズを燃やせ

ユリシーズを燃やせ

かつて「猥褻」と呼ばれた小説は、いかにして「現代の古典(モダン・クラシックス) 」となったか―

著者 ケヴィン バーミンガム
小林 玲子
ジャンル 専門書 > 単行本 > 外国文学、その他
専門書 > 単行本 > 本の本
出版年月日 2016/08/10
ISBN 9784760147311
判型・ページ数 4-6・464ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 在庫あり

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掲載拒否、有罪判決、そして焼却処分…モダニズムの先頭を走り続けた、ジェイムズ・ジョイスの「青い本」こと『ユリシーズ』。20世紀、時代の嵐に虐げられながらも、あらゆる人間を翻弄した、魔性の書物の一代記。

本書は『ユリシーズ』の伝記である。『ユリシーズ』の発展を一九〇六年に最初のひらめきが降りた、まだ短編の構想にすぎなかった段階から追い、第一次大戦前後の驚くべき進化を描いている。ジョイスはトリエステやチューリヒ、パリの十カ所を超えるアパートで、七百三十二ページもの原稿をノートとルーズリーフ、余った紙に書きつけた。(略)パリではまだ下書きの原稿だった時点で一部が焼却され、ニューヨークでは一冊の本として出版もされないうちに猥褻だと有罪判決を受けた。パリで小さな書店を経営していたアメリカ人シルヴィア・ビーチはヴァージニア・ウルフを含む誰もが拒絶するなかで出版を決意した。(略)ある作家はこう回想する。「店頭に積まれた『ユリシーズ』は、革命派の地下室のダイナマイトのようだった」(略)モダニズムの作家にとって文学は旧態依然とした文明との闘いで、傑作が焚書に処されることほどその闘いに賭けたものを明白にするものはなかった。検閲とは正しい文化的基準という名の独裁だった。(本文より)

【著者紹介】
ケヴィン・バーミンガム Kevin Birmingham
ハーバード大学大学院修了。現在ハーバード大学の文芸プログラム講師。専攻は、19・20世紀の文学と文化、検閲の歴史と文学の猥褻性など。本書で、PENニューイングランド・ノンフィクション賞(2015年)、 トルーマン・カポーティ・文芸評論賞(2016年)を受賞。

【訳者紹介】
小林玲子(こばやし・れいこ)
1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。早稲田大学院英文学修士。主な訳書に『波乗り介助犬リコシェ 100万人の希望の波に乗って』(辰巳出版)『グッド・ガール』(小学館)『君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝』(東邦出版)などがある。



《第1部》
第1章 夜の街
第2章 ノーラ・バーナクル 
第3章 渦巻き運動
第4章 トリエステ
第5章 魂の鍛冶場
第6章 小さなモダニズム
第7章 モダニズムのメディチ
第8章 チューリヒ

《第2部》
第9章 郵便と権力
第10章 ウルフ夫妻
第11章 狂気
第12章 シェイクスピア・アンド・カンパニー書店
第13章 ニューヨークの地獄
第14章 コムストックの亡霊
第15章 エリヤがやってくる
第16章 ニューヨーク州市民 vs アンダーソン、ヒープ
第17章 「キルケ」焚書

《第3部》
第18章 はぐれ者の聖書
第19章 本密輸業者
第20章 王の煙突
第21章 薬のデパート
第22章 悪の輝き
第23章 現代の古典
第24章 トレポネーマ
第25章 捜索と押収
第26章 合衆国 vs『ユリシーズ』
第27章 掟の銘板

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謝辞
訳者あとがき
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参考文献 

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