柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

季刊 東北学 [第2期・第28号(2011年夏)] 特集:地震・津波・原発―東日本大震災

定価
2,096円(本体 1,905円)
刊行
2011/08/01
ISBN
9784760140190
判型
A5
ページ数
348

内容・目次

内容

大震災はこの日本が自然災害列島であることを、改めて知らしめた。
原発事故は被害をより複雑にしながら、社会にさまざまな問題を突き付けた。
荒ぶる自然に向き合い再生を期するために、人々はどんな知恵を鍛えてきたか。
歴史や民俗、自然科学や社会学の領域から、どんな問いや対処法を供することができるのか。
切迫した状況と課題に向き合う地域からの声を発信し、東北の明日を問うてみたい。
特集《地震・津波・原発―東日本大震災》


目次

座談 大震災・原発事故と地域社会 課題に向き合う議論の場をどうつくるか 澤田哲生・清水亮・田口洋美


論考 

・津波と民俗学 藤井弘章

・東日本大震災と阪神大震災の与えた課題 神戸から東北への声援 森栗茂一

・三陸の漁村の記憶 森本孝

・貞観津波と大地動乱の九世紀 保立道久

・東日本大震災と九世紀の地震 寒川 旭

・明応地震と庄内沖地震の津波被害 矢田俊文

・仙台平野に来週した三回の巨大津波 地層から復元される過去の津波被害 松本秀明

・寛保の松前大津波 被害と記憶 菊地勇夫

・東北地方太平洋沖地震の地殻変動と変動地形 渡辺満久

・自然災害と歴史学 入間田宣夫

・災害コミュニケーション 災害ボランティア活動を事例として 渥美公秀

・東北発の震災論へ コミュニティ交流支援の現場から 山下祐介

・震災地復興の主体と条件 生活再建とコミュニティづくりに向けての覚書 大矢根 淳 


エッセイ・ルポ・写真

・流された漁村に立つ 川島秀一

・ハナドリとコウナゴダカリ 「原発銀座」のなかで生きるということ 金田久璋

・三陸海岸の津波の碑 野添憲治

・消せない記憶 荒川健一

・原発事故の体験と記憶 三ヶ月を経ての覚え書き 大山孝正

・自然災害と柳田国男 石井正己

・予想しなかった津波 宮城県亘理町吉田・野地区での出来事 七海雅人 

・杞憂が杞憂でなくなった日 廣瀬玲子

・ルポ・被災地若者物語 岩崎孝正


連載

・安渓貴子・安渓遊地「島からのことづて」

・稲垣尚友「東シナ海の古層」

・木村 文「アジアの風の中で」

・金 利恵「あの頃のこと」

・高光敏「済州島の民俗」

・内藤正敏「写真曼陀羅」