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  注目の本


混入、放流、流出、遺棄…
ブラックバスだけではわからない外来種問題



書名 外来水生生物事典
著者: 佐久間功・宮本拓海=著 宮本拓海=イラスト
定価: 2,940円(税込)
刊行日: 2005年6月
ISBN: 4-7601-2746-1
版型: A5判・上製
総ページ数: 208頁(カラー32頁)
在庫状況: 在庫有り
内容:  2005年6月より「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(通称:外来生物法)が施行されました。オオクチバス(ブラックバス)を特定外来生物として指定するかどうかで議論され、メディアにもしばしば取り上げられたのでご存知の方も多いでしょう。
 しかし、一口に外来生物といっても多種多様であり、問題も複雑に絡み合っています。例えば、ブラックバスのように在来の生物に直接食害を与えるようなものもあれば、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)のように日本の文化風土になじみながらも繁殖拡大して在来のカメ類を圧迫しているものもあります。また、魚類をはじめとする国外移入種は、水産業の振興という経済目的により官公庁主導で導入されたことも意外に知られていません。さらに、水生生物は、漁業権や放流事業、観光、ダム建設のような公共土木事業など経済・政治活動と密接に関係します。これらのことが外来種問題をより複雑にしているといえます。
 また本書では、アユ、メダカ、ワカサギ、ホタルなど国内移入種を紹介しています。「外来種」とは外国産をイメージしがちですが、国内において本来の生息地から移動・移入された生物も含みます。メダカを例にあげれば、さまざまな土地固有のメダカがいるのに、安易な移動・遺棄などによって、交雑・遺伝子かく乱が起きてしまっています。ビオトープなど環境教育の現場でも、知らず知らずのうちに遺伝子かく乱を引き起こしている場合もあります。
 本書は、事典機能とともに、このようなあまり知られていない外来生物の様々な問題にも解説を加え、また初学者にもわかりやすいよう内容になっています。水生生物や水辺環境の入門書としても最適です。

<本書の特長>
@移入の経緯や現状など見やすい項目別解説。
A水生生物の特殊性や移植・混入問題など詳細な解説ページ。
B生物の特徴をとらえた細密イラスト。
C国外・国内移入種の原産地が一目でわかる地図。
D付録資料として外来生物法の全文を注釈付きで掲載。


目次:

はじめに
凡例

<注目の移入種>
[魚類]
オオクチバス(ブラックバス)
ブルーギル
ニジマス
アユ
コイ
タイリクバラタナゴ
ソウギョ
メダカ
[甲殻類]
アメリカザリガニ
[両生類]
ウシガエル
[爬虫類]
ミシシッピアカミミガメ

(解説ページ)
水生生物の特殊性
オオクチバスをキーワードに考える
漁業権と外来魚
ペットと外来種

<国外移入種>
[魚類]
ブラウントラウト
カワマス
レイクトラウト
ギンザケ
グレイリング
シナノユキマス
オオタナゴ
ハクレン
アオウオ
チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)
カムルチー/タイワンドジョウ(ライギョ)
コウタイ
コクチバス
タイリクスズキ(ホシスズキ)
ペヘレイ
カワスズメ(モザンビークテラピア)/チカダイ(ナイルテラピア)
チョウセンブナ
タイワンキンギョ
グッピー
カダヤシ
ヨーロッパウナギ
[甲殻類]
ウチダザリガニ/タンカイザリガニ
チュウゴクモクズガニ(上海ガニ)
チチュウカイミドリガニ
イッカククモガニ
[貝類]
スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)
タイワンシジミ
サカマキガイ
カワヒバリガイ
ムラサキイガイ(ムール貝)
[両生類]
オオヒキガエル
[爬虫類]
カミツキガメ
ワニガメ
[哺乳類]
ヌートリア
マスクラット
アメリカミンク
[水草]
ホテイアオイ(ウォーターヒヤシンス)
オオカナダモ/コカナダモ
オオフサモ/カボンバ
[海藻類]
イチイヅタ

[解説ページ]
現代日本の水辺環境と移殖種
環境の悪化と放流
言葉の意味と混乱―生態系・生物群集・生物多様性
水鳥への好意が環境を破壊する

<国内移入種>
[魚類]
ワカサギ
ヤマメ/アマゴ
ニッコウイワナ/ヤマトイワナ
ヒメマス
ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)
ギンブナ
オイカワ
カワムツ(ヌマムツ)
ヒガイ
ワタカ
ハス
モツゴ
ホンモロコ/タモロコ
アブラボテ/カネヒラ
ナマズ
[甲殻類]
エビ類(テナガエビを中心とする)
[昆虫類]
ゲンジボタル
メガネサナエ
[両生類]
ニホンヒキガエル
[爬虫類]
ニホンスッポン
[貝類]
カワニナ

[解説ページ]
要注意外来生物
注目すべき要注意外来生物

<要注意外来生物>
ストライプトバス
ノーザンパイク
ケツギョ
パイクパーチ
ウォーキングキャットフィッシュ
ナイルパーチ

あとがき
主要参考文献
外来生物法解説
外来生物法全文
索引

著者紹介: 佐久間 功(さくま いさお)
1963年千葉県生まれ。1986年日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)水産学科卒。アウトドア雑誌などで編集、執筆に携わったのち、現在サイエンスライターとしての執筆活動のほか、生物画の美術館で説明員としても活動中。釣り人の環境意識を高めるための啓蒙活動にも関わっている。主な著書に『3日でわかる 動物のふしぎ』(ダイヤモンド社)、『そこが知りたい! 科学の不思議』(共著、かんき出版)など。オオクチバス問題では「解決派」を自任し、利用(釣り)、駆除の両派とおも密接なつながりを持ちつつ、現実的な解決を目指している数少ないジャーナリストでもある。

宮本 拓海(みやもと たくみ)
1967年福岡市生まれ。動物ジャーナリスト、イラストレーター。(株)アスキー勤務時に『マルチメディア昆虫図鑑』などのCD-ROM書籍の編集・ディレクターを担当。1999年よりフリーで活動。都市動物、動物事件を中心に幅広く動物を取材する。イラストは、動物からキャラクターデザインまで幅広くこなす。著書に『動物の見つけ方、教えます! 都会の自然観察入門』(数研出版)。本書では爬虫類、両生類、哺乳類の一部も執筆。オオクチバス問題では駆除派であるが、日本の内水面に問題があるという点では佐久間氏と一致している。



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