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夢の陽炎館 水晶の涙雫 横田順彌明治小説コレクション2

明治の文化を知り尽くす作家・横田順彌。その個性が凝縮された作品が一堂に集結。瞠目の明治ロマン、第2弾!

定価
2,860円(本体 2,600円)
刊行
2017/09/22
ISBN
9784760148967
判型
四六判
ページ数
450

内容・目次

内容

永久機関に取り憑かれた科学者の執念、日露戦争帰還者の不思議な予言、絵から抜け出す幽霊などなど、超常現象の謎に迫る短篇集『夢の陽炎館』、南極探検に端を発する怪事件を描く長篇『水晶の涙雫』を収録。明治古典文化史を知り尽くした著者ならではの、読者をタイムトラベルへと誘うかのような生き生きとした明治時代と実在の人物群の描写が魅力の、奇想天外にして変幻自在のミステリSFシリーズ復刻第2弾。


【著者紹介】
横田順彌(よこた・じゅんや)


作家。1945年、佐賀県に生まれ東京で育つ。法政大学法学部卒業。サラリーマンを経て、70年、学生時代に知己を得ていた平井和正の紹介によって「週刊少年チャンピオン」にショートショートを発表し、商業誌デビュー。71年、「SFマガジン」に小説「友よ、明日を……」、研究エッセイ「日本SF英雄群像」を同時に発表。77年に初の単著『宇宙ゴミ大戦争』が刊行される。以後「ハチャハチャSF」と呼ばれる、ナンセンスギャグを駆使した『対人カメレオン症』『ふぁん太爺さんほら吹き夜話』などの作品群で人気を得る。それと並行して、古典SF研究・明治文化史研究でも精力的に活動を継続、『日本SFこてん古典』をはじめとする一連の研究でも高い評価を受ける。『快男児 押川春浪』(87年、會津信吾との共著)で第9回日本SF大賞、『近代日本奇想小説史 明治篇』(2011年)で第32回日本SF大賞特別賞、第65回日本推理作家協会賞評論その他部門、第24回大衆文学研究賞大衆文学部門をそれぞれ受賞。88年に押川春浪を登場させた『火星人類の逆襲』を発表、以後いわゆる〈明治もの〉小説を多数執筆。


【編者紹介】 
日下三蔵(くさか・さんぞう)


SF・ミステリ評論家、アンソロジストとして精力的に活動。小松左京作品、連城三紀彦作品などのアンソロジーの他、『海野十三コレクション』(創元推理文庫)、今日泊亜蘭『最終戦争/空族館』(ちくま文庫)、『筒井康隆コレクション』(出版芸術社)、『皆川博子コレクション』(出版芸術社)『ミステリ珍本全集』(戎光祥出版)など一連の「隠れた名作」の発掘で高い評価を得ている。


目次

夢の陽炎館 続・秘文◎七幻想探偵譚















水晶の涙雫


『夢の陽炎館』初刊時あとがき

復刊あとがき

編者解説/日下三蔵