柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

金持ちは、なぜ高いところに住むのか 近代都市はエレベーターがつくった

ヨーロッパとアメリカの建築の比較を通して、空間の意味そのものを変えてしまった装置の歴史をたどる。

定価
3,080円(本体 2,800円)
刊行
2016/06/10
ISBN
9784760147113
判型
四六判
ページ数
408

内容・目次

内容

世界がまさに20世紀へ突入しようとする頃、人々の生活に革命を起こす「箱」が現れた――ヨーロッパとアメリカの建築の比較を通して、空間の意味そのものを変えてしまった装置の歴史をたどる。現代へと続く風景の元を築いた「宙吊りの密室」の物語。


 


【著者紹介】
アンドレアス・ベルナルト Andreas Bernard
ドイツ・ミュンヘン大学で学んだ後、南ドイツ新聞に勤務。ヴァイマール大学メディア学部で博士号を取得した後、コンスタンツ大学、ベルリン文学・文化研究センター研究員を経て、現在、リューネブルク大学デジタル文化センター教授。


【訳者紹介】
井上周平(いのうえ・しゅうへい)
明治大学文学部史学地理学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門は近世ドイツ史および医療史。現在、立教大学・獨協大学・関東学院大学ほか非常勤講師。


井上みどり(いのうえ・みどり)
学習院大学文学部史学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門は中世ドイツ史。


目次



 1.多層建築のイメージ

 2.1854年ニューヨーク

 3.エレベーター事故


第1章 裂け目??エレベーターによる垂直の構築

 1.縦穴の理論

 2.直線化の建築様式

 3.階のあいだの無


第2章 階 屋根裏部屋からペントハウスへ??エレベーターと建物の垂直秩序

 1.グランドホテル

 2.貧しき詩人たち、世をはばかる夫婦

 3.階の病理学

 4.世紀転換期の文学における屋根裏部屋の意味

 5.変容のコンセプト


第3章 インターフェイス??制御技術

 1.名人芸と責任

 2.押しボタン式コントロールと自動運転への道

 3.補論


第4章 内装 エレベーターボックス??親密性と匿名性の交錯点

 1.公の空間か私的な空間か

 2.異物から建物の核へ

 3.都市化と空間への怖れ

 4.エレベーターの政治性

 5.エレベーターの語りの機能