柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

東アジアにおける国家と市民社会 地域主義の設計・協働・競合

国際政治学・国際関係論の視角から、東アジアの地域主義論の展開の中で「国家」と「市民社会」の位相を明らかにする。

定価
5,940円(本体 5,400円)
刊行
2013/02/01
ISBN
9784760142231
判型
A5
ページ数
320

内容・目次

内容

対立か?融和か? 主権か?人権か? 分断か?連帯か?
 変貌する東アジアを読み解く国際政治学の必読書。
地域主義? 地域化? 地域統合? 地域共同体?
――言葉だけが先行する東アジア地域統合の中で 国家と市民社会をいかに捉えるか?


地域主義とは何か? グローバル化に逆流する時代錯誤のイデオロギーなのか?
「市民社会」を抑圧し「国家主権」を擁護するアジア的価値のプロパガンダなのか?
地域共同体とは「国家間の共同体」であると同時に「社会間の共同体」でもある。国際政治学・国際関係論の視角によって、地域主義の位相を探り、国家と市民社会の論理を析出しながら、両者の連関を詳らかにする。


目次

序章 国際社会における地域統合―課題と構想 1 国家(主権)と市民社会(人権)というジレンマ

 2 地域統合研究の形成

 3 本書の構想


第1章 東アジアの国家と市民社会―理論と動態

 1 地域統合における概念化の問題

 2 1990年代における「理論先行」状況―国際政治理論との関連

 3 2000年代以降における「現状先行」状況―地域統合との関連

 4 地域主義と市民社会―「市民社会」型地域主義論との関連

 5 地域主義の政治学的含意


第2章 東アジアの主権と人権―相克と克服

 1 理論枠組みと方法

 2 主権規範と人権規範の形成過程


第3章 地域主義の制度設計―トラックⅠ

 1 アジア太平洋経済協力(APEC)

 2 ASEAN+3(APT)

 3 ASEAN地域フォーラム(ARF)

 4 東アジア・サミット(EAS)

 5 東南アジア諸国連合(ASEAN)


第4章 国家と市民社会の協働―トラックⅡ

 1 東アジアにおけるトラックⅡ外交の展開

 2 東南アジア諸国連合(ASEAN)におけるトラックⅡプロセスの過程

 3 ASEAN―ISISとASEAN人民会議(APA)


第5章 国家と市民社会の競合―トラックⅢ

 1 地域連帯運動

 2 人権と地域連帯


終章 地域主義における国家と市民社会―協働と競合

 1 地域主義形成におけるトラック間関係

 2 地域主義の両義性―国家と市民社会