柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

都新聞 明治補遺 (全13巻) 〈復刻版〉 〈明治期最終回配本〉

明治の文化と生活の息遣いを伝える大衆紙、ついに完結!

定価
528,000円(本体 480,000円)
刊行
2000/02/01
ISBN
4760118608
判型
その他・規格外
ページ数
3,670

内容・目次

内容

黒岩涙香、中里介山ら多数の人気作家を輩出し、文化、芸能記事では他の追随を許さず明治の大衆文化をリードした『都新聞』の復刻がひとまず完結する。最終回配本は明治26年以前の分を収録するが、完結にあたっては関係諸機関の協力を得て、これまでマイクロフィルムにも収録されていなかった本紙、附録、号外類約300頁分を新たに発見し収録。さらに前身紙である『みやこ新聞』も収録し完璧を期した。大正期の『都新聞』および創刊期の『今日新聞』についても引き続き2000年秋から復刻を開始する。


【都新聞略史】
明治17年(1884)9月3日、『都新聞』の前身紙である『今日新聞』が東京京橋で夕刊紙として創刊された。小西義敏、仮名垣魯文、野崎左文らを中心に芝居だより、粋な花柳記事を売り物にした『今日新聞』は政論新聞全盛の時代にあって異色の新聞として大いに注目された。明治21年に『みやこ新聞』と改題、さらに明治22年に『都新聞」と改題し、紙面も拡充発展させた同紙は、明治の大衆文化を花開かせ、庶民の生活を活写した貴重な新聞資料として今日ますますその意義を高めている。『都新聞』の特長は、なによりも文芸記事、連載小説にあった。主筆黒岩涙香によって続々と翻案された探偵小説は、文字どおり新しい、時代にふさわしし、エンタテインメントとして大いに人気を博した。さらに中里介山、伊原青々園、遅塚麗水、長谷川伸、平山蘆江などを記者として擁し、彼らが連載する大衆小説は明治の文化を象徴する「都の華」でもあった。歌舞伎、大衆演劇などの劇評、音楽評、さらに艶ダネ記事なども他紙の追随を許さないものがある。同時に「商売人の虎の巻」「実業家の相談相手」を標傍し、株、物価動向など商況面にも力を入れ、勃興しつつあった近代的経済活動のたくましい、エネルギーも盛り込んでいる。こうして『都新聞』は庶民の生活、意識をも反映した貴重な資料として、政治史、経済史、文化史、社会史、風俗史、文学史、メディア史など各分野で活用されている。『都新聞』は昭和17年10月、政府によって『国民新聞』と強制的に合併され『東京新聞』となり、今日に至っている。


目次

【都新聞のできごと】1888年11月16日 『今日新聞』を『みやこ新聞』と改題。通算1163号。

1889年 2月 1日 『みやこ新聞』を『都新聞』と改題。

【主な連載小説】

探偵小説消防夫(不知火訳)/三日月お蓮(落葉山人)/探偵叢談・落た小風呂敷の印から(高谷為之)/探偵小説・大悪医(尺山居士訳)/譽の兜(村井弘斎藤)他