柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

なにぶん老人は初めてなもので

そうか、これが老いなのか――しめしめ!

定価
1,980円(本体 1,800円)
刊行
2000/09/01
ISBN
4760119558
判型
四六判
ページ数
256

内容・目次

内容

流行の定年後人生論や老人についてのイメージはどこか安易でおかしいぞ。バラ色でもおしなべての衰退でもない一人ひとり個性を持つ老後人生の本質とは、日本に老年文化=隠居文化は生まれるか、人間的ハイライトとしての老いの結晶能力(クリスタルパワー)について、……。患者と共に老いを同時進行する精神科医が、老いに価値を認めない日本社会の風潮に怒りの異議申し立て。椎名さんが初めて「老化」問題を語った対談も収録。


【著者紹介】
中沢正夫(なかざわ・まさお)
1937年、群馬県に生まれる。精神科医。統合失調症治療の権威。現在、代々木病院で診療を続ける。著者に、『フツーの子の行方』『ストレス「善玉」論』『ゴロ寝上手は老い上手』など多数。ハグレ精神科医を自称し、幻の「シナソバ」や正統キュウリモミ復元をたくらむ。椎名誠氏らの「怪しき探検隊」隊付き(?)医。


目次

はじめにⅠ そうかこれが老いなのか

どうやら「もっとも人間らしくなること」らしい

日本に老人文化は開花するか―隠居の条件

“今日はいい説法でした”

これぞ人間力―7+αのクリスタルパワー

最後に食いたいもの

パパスの問題

介護保険の「哲学」を読む

ローンにしてやられた

時間を遅くするまやかし

住むことの意味

Ⅱ 今日もあたふた日が暮れる

なしくずし的「老夫婦宣言」

「終の栖探し」挫折「考」

子供に遺す言葉

Ⅲ ≪老化対談≫ワシらも老いについて考えた

ゲスト●椎名誠

Ⅳ 老いに同行有りて

つぶやきあるいはボヤキ

土曜日の風景から―昔老いし その1

患者さんにみる老いという舞い―共に老いし その2

いずこも同じ老い夫婦―共に老いし その3

Ⅴ 乗り越えて行きし人びと

歩みつづける四人

ウブドの森に消えた男

Ⅵ 世紀を渡る

遡行せしもの二一人

怪しき春

二〇〇〇年元旦にタイムカプセルを掘る

おわりに