柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

井上円了・世界旅行記

明治「妖怪博士」の地球1周見聞録

定価
10,780円(本体 9,800円)
刊行
2003/11/01
ISBN
4760124268
判型
A5
ページ数
550

内容・目次

内容

『井上円了・世界旅行記』刊行にあたって
本書は、哲学者として名を知られる井上円了博士が明治期に行った大きな海外旅行記の集成である。収録した旅行記は、欧米のキリスト教事情を視察した『欧米各国政教日記』、日露戦争直前に出版された『西航日録』、地球規模の大旅行を記録した大冊『南半球五万哩』の三つである。まさに円了博士は地球を縦横断しているが、博士がこれほどの大旅行家だったことは、これまでほとんど知られていない。まだ明治のおわらぬこの時期に、北極海の彼方に浮かんで沈まぬ太陽を見て感激したという。博士のこんな超近代的経験など、読者が発見するものは、途方もなく豊かだ。それは、「明治」という時代に新たな光を当てるきっかけにもなるであろう。
東洋大学井上円了記念学術センター 新田幸治


【本書の特色】
●稀代の哲学・宗教者井上円了の地球一周見聞録を初めて集成
●赤道―南極―北極海。大陸、島嶼、都市、港湾……当時の世界各地の事情を筆録
●旧かなづかいを現代かなづかいに改め、地名を統一
●旅行記に付されていた多くの絵はがきや写真も、完全収録
●地名・人名・事項の索引(約850項目)も充実、旅行経路図を付す


◎東洋大学井上円了記念学術センター
哲学・仏教・宗教・教育・倫理・心理・妖怪学などの多岐にわたる分野で活躍した創立者・井上円了の総合的研究機関として平成二(一九九〇)年に設立。大学史や現代社会の諸問題を究明する学術的活動の他に、『東洋大学百年史』『センター年報」『えっせんていあ選書』『井上円了選集』などの刊行、学術講演会・シンポジウムの開催など、各種の研究と事業を展開。


目次

【主な内容(または収録地域)】『欧米各国政教日記(上編・下編)』

太平洋、米国、大西洋、英国(ロンドン、スコットランド、その他の地方)、アイルランド、フランス、スイス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシア、トルコ、オーストリア、ロシア、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、オランダ、ベルギー、インド洋

『西航日録』

中国、シンガポール、インド、中東、ヨーロッパ、北米

『南半球5万哩』

南球往航日記(ホンコン、カントン、マニラ紀行)、濠州紀行、南インド洋船中日記、英国行日記、北極海観光日記、欧州大陸紀行、南米行大西洋横断日記、南米東部紀行、南米西部およびメキシコ紀行、太平洋帰航日記(付世界周遊再見)

解題

井上円了の世界旅行記/瀧田夏樹(東洋大学名誉教授)

解説

井上円了と世界/三浦節夫(井上円了記念学術センター専任研究員・教授)

索引