柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

魔王と呼ばれた男 北一輝

北とすず子に降った霊告は、暗黒の日本を解体しようとしていた……

定価
2,640円(本体 2,400円)
刊行
2005/04/01
ISBN
4760127011
判型
四六判
ページ数
320

内容・目次

内容

企業や政党からカネを引っぱり、そのカネで贅沢な生活を送り、
平然と嘘をつき相手を手玉にとったかと思えば、平気で味方を裏切る。
みずから暗殺に関与して流血に祝杯をあげ、そして──異様な神がかりに沈潜し、さまざまな神霊の霊告を仰いだ北一輝。
「魔王」と呼ばれた男・北一輝の知られざる顔を描き出す!


目次

はじめに

一章 魔王と呼ばれた男

「魔王」の由来/北一輝の威圧感/平然と嘘をつく/北一輝と大川周明/北の周辺/「事件屋」か「恐喝屋」か/北が手にしたカネ


二章 霊的気質と進化論

佐渡の少年時代/精神的な危機/孤独な戦いへ/法華経の使徒/弟・昤吉の証言/進化論との出会い/神の愛


三章 すず子と法華と日蓮

日蓮行者との出会い/霊媒・北すず子/すず子の観音信仰/『法華経』信仰への沈潜/見仏の生活/北夫妻の神憑り/北夫妻の幻視/北と法華信仰/日蓮と地涌菩薩


四章 『霊告日記』の開始

『霊告日記』/佐渡での神秘体験/順徳天皇を見る/「売国奴」と田中内閣/霊告のもつ魔力性/浜口新内閣と霊告/金解禁と霊告/西田の逮捕/昭和恐慌/ロンドン軍縮会議/暗殺計画/統帥権干犯/「暗殺」の霊告/テロと霊告


五章 昭和六年──幻のクーデターと霊告

クーデターと呪詛/迫りくる時代の急転/満州事変/軍部のクーデター計画/密告/政治・経済・外交の行き詰まり/不気味なヴィジョン


六章 血盟団事件

西田税と井上日召/地涌の菩薩によるテロ/宗教の狂気/井上日召自首/五・一五事件/満州国への思い/祈禱による治療


七章 神秘世界への沈潜

守旧派と革新派/日本守護を神々に祈る/荒木という男/激増する神社参拝/半脳病み/忍びよる「暗」


八章 二・二六、天皇と霊告

頻発する警告の霊告/すず子の中の「天使」/永田鉄山刺殺さる/神示による天誅/北の敵/「大内山光射ス 暗雲無シ」/天啓/「光」を待つ将校たち/最後の霊告/処刑/神仏の世界への埋没/呪縛




あとがき