柏書房株式会社KASHIWA SHOBO

西洋ルネッサンスのファッションと生活

〈服飾史〉の古典的名著、待望の邦訳

定価
13,200円(本体 12,000円)
刊行
2004/05/01
ISBN
4760125213
判型
B5
ページ数
512
ジャンル
歴史・地理

内容・目次

内容

ルネッサンス時代に生きた世界の人々の服装を描いた木版画145点と、当時の社会や文化・習俗の描写も含むその詳細な解説が対になった服飾史上の名著。メディチ家が所蔵していた手彩色版のカラー図版73点を口絵構成。


【本書の特色】
◆1590年に刊行された『世界各地の古代および現代の服装』のなかから、所蔵先フィレンツェ国立中央図書館からの図版提供を経て、計145点(うち70点余を4色口絵構成)を抜粋、再編集、翻訳。
◆ルネッサンス時代に生きた世界の人々の服装を巧みに描いた木版画と、当時の社会と文化、風俗の描写も含む詳細な解説から構成。貴族や僧侶のみならず、農民・商人・船員・兵士・娼婦・物乞いなど、様々な国とその階層、老若男女を網羅。
◆邦訳版には、
①本書の学術的再評価を論じる監修者による序文(原文併載)
②服飾史を中心とした詳細な訳者註
③本文に対応した「服飾用語解説」「織物用語解説」と「索引」
④「評伝ヴェチェッリオ」
といった研究補助に最適な項目を掲載。
【著・挿画】
チェーザレ・ヴェチェッリオ
Cesare Vecellio 1521-1601
画家。1521年ヴェネツィア北部山岳地帯ピエーヴェ・ディ・カドーレ生まれ。1601年ヴェネツィアで没す。画家のティツィアーノとは又従兄弟の間柄。少年期、詩人であった人文主義者より芸術概念を学び、ティツィアーノの兄フランチェスコより絵の手ほどきを受けた。ティツィアーノの工房で長年「忠実にして無名の協力者」として働くが、ティツィアーノの死を境に独自の絵画作品を手がけ、「ヴェネト地方におけるマニエリスムのある明瞭な声音」と評された。


【監修・序文執筆】
ジャンニーヌ・ゲラン・ダッレ・メーゼ Jeannine Guerin Dalle Mese
ポアティエ大学(フランス)文学部教授。イタリア語および文学、イタリア文明史。
特に1500年代の服装研究に造詣が深い。主著に『ジョヴァン・マリア・アンジョレッロのスルタンと預言者』『エジプト、追想と妄想、ある旅のルート、1320~1601年』『チェーザレ・ヴェチェッリオの目線――1500年代のエキゾチックな服と風俗』。


【訳者】
加藤なおみ
1978年文化女子大学卒。西洋服飾史。1980年よりイタリア留学。ペルージャ大学にてイタリア語を学んだ後、フィレンツェ大学にて小美術史、古文学、ラテン語を中心に学ぶ。1984年より1995年までフィレンツェ大学教育学部日語学科の専任講師。1996年よリヴェチェッリオの翻訳研究を開始、現在に至る。



メディチ家が所蔵していた手彩色版のカラー図版より


目次

【目次より】第1章 ヴェネツィアの往時の服装

往時のヴェネツィアの、初代元首またはドージェ/往時のヴェネツィア貴族/往時のヴェネツィア貴族の奥方/往時の、着飾ったヴェネツィア貴族の淑女/往時のヴェネツィア及びイタリア各地の領主の服装……

第2章ヴェネツィアと北イタリアの上層の服装

ヴェネツィア元首、ドージェの礼装/ヴェネツィアのドージェ夫人の礼装/ヴェネツィア共和国政府の役人/ヴェネツィア貴族の普段着/貴族と上層の男性の平服……

第3章 ヴェネツィアと北イタリアの、市民その他の服装

街頭に立つ娼婦の服装/当代の武装解除した兵士/ヴェネツィアや他の町のならず者/戦時に召集されるガレー船の漕手/肉屋や魚屋の店頭で客を待つ籠持ち…

第4フィレンツェとイタリア中部の服装

フィレンツェの、名家の奥方の服装/フィレンツェの、今や用いられない乙女の外出着/フィレンツェ貴族の男性の普段着/フィレンツェ最高位行政官の服装/シエナ貴族の奥方……

第5章 ローマと南イタリアの服装

イタリア中に広まった、ローマ女性の往時の服装/ローマ貴族の新妻の、盛装用外出着/当世のローマ貴婦人/ローマ市民の女性、または商人の妻/ローマ貴族の少女や乙女の外出着……

第6章 フランス、スペイン、イングランドの服装

フランス貴族の花嫁/パリとその近郊の貴族の奥方/フランス、オルレアン貴族の奥方/フランス貴族の紳士/今や用いられないフランス貴族の男性の服装……

第7章 スイス、ドイツ及び北欧の服装

スイス最高権力者の服装/スイスの乙女/ドイツの領主及び諸侯の服装/爵位をもつドイツ諸侯の服装/アウグスブルクのパトリキの生娘……

第8章 中欧、東欧及びモスクワ大公国の服装ボヘミア市民/ボヘミアの女性市民/プロイセンの商人/クロアチア人の服装/八ンガリー人固有の服装……

第9 トルコ、ギリシア及び中東の服装

ペイチ、すなわちスルタンの馬丁/イエニチェリ、すなわちオスマン帝国の歩兵/家でくつろぐトルコ人女性/トルコの寵妃/中流のトルコ人女性……

第10 アジアとアフリカの服装

日本の青年/中国貴族の奥方/中流の中国人男性/東インドの高い身分の男性/東洋のジプシー、すなわち遊牧民の女性/トラミスィン王国のアフリ力人女性